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経営理念

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社名

哲学者老子の「道(タオ)」-宇宙の法則

社名の「タオ」というのは、実は中国語です。「道」と書いて、日本語では「みち」と読みますが、中国語では「タオ」と読みます。ですから、株式会社タオとは、株式会社道ということになります。

「道」という言葉は、いろいろな意味を持っています。「road」の道、「わが道を行く」という時の道、武道や茶道でいう道、極道という恐ろしげな熟語もあります。深い意味のある言葉です。何故日本語の「道」とせずにわざわざ中国語の「タオ」という言葉を使ったのかというと、それは、「タオ」に通常の「道」以上の意味を込めているからです。

今から2500年ほど前の中国に老子という人がいました。哲学者です。世の中のありさまをとことん考えて真理を掴もうとした人です。儒学の祖孔子とほぼ同時代の人です。孔子が「人間として生まれたからは人間としてすばらしい生き方をすべきだ」と言うと、老子は何故か関西弁で「そないに力まんかて、このままでよろしがな。」と答えます。
これが「無為自然」です。

老子が掴んだ真理は、詰まるところ次のようなものでした。
■宇宙には、法則がある。
■それは、良い法則だ。
そしてこの宇宙を形作っている法則を「道(タオ)」と名付けました。

会社を設立する時、生まれる子供に名前を付けるように社名を考えました。大きく育っていって欲しい。正しくあって欲しい。強くあって欲しい。子供と全く同じです。最も大きく、最も正しく、最も強く、最も善なるものとして「タオ」を社名として選びました。

社是

自他全大調和 無限生成発展

社是は、会社が「正しい」と信じる根本原則です。商品もシステムも人も100年経てば変わるでしょうが、社是は変わりません。

社名「タオ」は、宇宙を形作っている法則ですが、社是は、その法則の内容を説明したものです。この世界で、いつでも、どこでも、なんにでも適用する法則とは、一体どんなものでしょう。

それは、まず「自-他-全 大調和」ということです。これは、この世の全てのものは、あるものとそれに対応する別のものが絶妙のバランスで調和しつつ全体を作っているということです。大きくは、地球と月、太陽系、銀河系、宇宙。小さくは、分子、原子、原子核、素粒子。極小から極大まで、それは入れ子細工のように繰り返されます。そしてもちろん人間の世界にも当てはまります。

例えば、物を売るという時、「相手にとって悪くても売り込もう」と考えれば、相手は、「その手に乗るものか」となります。これは、対立です。しかし、物を売るということは、売り手は買い手の役に立つ物を買い手が納得するように提案し、買い手は喜んで購入するというのが本来の姿です。お互いが「ありがとうございます。」「いや、こっちこそありがとう。」となるはずです。ここでも、自分を発揮し、相手が喜び、全体が豊かになるという「自-他-全 大調和」という法則が成り立っています。

「そんなにうまく行かないよ」と思われるかもしれません。確かに実際は、そんなに簡単ではありません。でもそれは、夜に道を歩く難しさと同じです。道がないのではなく、暗くてよく見えないのです。昼になれば、「なんだこんなに広かったのか」と笑いながら歩ける道です。

そしてこのように全てが「自-他-全 大調和」の状態のままに「無限なる生成発展」を続けています。それは、樹木の種子が地に落ちて、根を出し、芽を出して、幹を肥やし、葉を茂らせ、枝を伸ばし、時に葉が枯れ落ちることがあっても、根や枝や葉のそれぞれが止むことなく一瞬一瞬成長を続けるのとまったく同じです。

杉の種子は、ごく小さいものですが、樹齢は3000年、4000年、時に7000年にも及び、高さは100mをゆうに越える巨大な姿となるものもあります。この宇宙もごく小さい塊がすさまじい勢いで膨張して現在の姿となっているということです。種子の中に後の成長の道筋が入っているように、宇宙も最初のごく小さい塊の中に現在の姿を生むルールが入っていたのでしょう。このルールがタオです。

宣言

株式会社タオは、社員一人一人が、
自分のすぐれたところを
力の限り出し合うことにより、
会社全体として世の人々に
多いなる貢献をなします。

株式会社タオというのは、建物でも商品でもなく社員一人一人のことです。バラは、「根」も「茎」も「棘」も「葉」も「花」もバラであり、そのどれもが、かけがえのない役割を果たしているように、会社も社員一人一人はかけがえのない存在であり、一人一人が、すなわち「タオ」です。

人は、一人一人顔かたちも性格も得意不得意もまちまちで、良いところと悪いところは背中合わせでくっついています。会社はその一人一人の良いところを集めて、一人一人では為し得ない大きな喜びを世の人々にもたらす為にあります。

タオは、「お客様に喜び」をもたらす為に存在します。しかし、それは、社員の我慢の上に作られるものではいけません。「お客様の喜び」は、社員各自が自分と人の特性を知り、互いに認め合って、主体的に試行錯誤しながら活き活きと活動することから生み出されるものでなければなりません。すなわち、株式会社タオは、「社員の喜び」を土台としてその上に「お客様の喜び」を作り上げて行きます。

善の器

会社の価値 = 喜んだ人数 × 喜びの深さ

新入社員の研修をしていた時、社会に貢献するということを話していたら、ある男の子が、「でも、企業の目的は、利潤の追求ではないのですか?」と聞きました。なかなか勇気ある子です。「なんでそう思うの?」と聞くと、「高校の教科書にそう書いてありました。」とのことでした。

確かに教科書には、そう書いてあります。また、学校の先生でそうだと思っている人は、多いです。学校の先生は、「会社の目的はしょせん金儲け」と子どもに教えながら、ほとんどの子どもを会社に就職させます。これは、子どもにとって不幸なことです。一体誰が初めにこんなことを言い出したのでしょう。「会社の目的は金儲け」という考え方が変な理由について考えてみましょう。

例えば、20年ぶりの高校の同窓会で、現在の境遇はまちまちな参加者たちが、近況報告を兼ねて「今何が生きがいか」を話すことになったとします。「うーん俺は、仕事かな。」「私はやっぱり子どもね。」「僕は今も山一筋、この冬はエベレストに挑戦します。」など、それぞれの人がいろいろなことを話して、その度に驚きや共感でどよめきます。すると次の男がこんなことを言いました。「僕は、血を作ることだね。」それを聞いた周りの人たちは「えっ、血…。」「血を作ることが生きがいなんて…。」と困惑します。しかし、男は「そんなことを言うが、君は血が無くて生きて行けるのか、血は大事だぞ。僕は今たくさんの血を作るために生きているんだ。」と続けます。いつのまにか、彼の周りから人がじりじりと離れてしまいました。

この例え話において、誰も血の大事さを疑っていたわけではありません。仕事や子育てをするにも、山に登るにも血は必要です。でも、「血を作ること」自体が目的なわけではなく、生きている限りなすべきことがあって、それを果たすための血液なのです。そして、人間にとっての「血を作ること」は、会社にとっては「利益を追求すること」です。ですから、会社の利益は大事な欠くことのできないものです。いくら口で偉そうなことを言っても、心で立派なことを思っても、利益がなければ会社は生存を許されません。でも、「利益を追求すること」自体が目的なわけではなく、会社が存在する限りなすべきことがあって、それを果たすための利益なのです。

タオは、会社は「善の器」だと考えています。平凡な人の得意を集めて、時に偉大な人を超える善を為すということが、会社が存在する目的です。では、善とは何でしょう?タオは、人に喜び、幸せをもたらすことと考えています。まず社員が喜びのうちに働き幸せな生活を送り美しく生きる。そして、そのような社員がお客様に喜び、幸せをもたらし、その過程で、お得意先や地域社会や世界に喜び、幸せをもたらす。出来るだけたくさんの人に、「タオが在って良かった。タオと出会えて良かった。」と本当に思ってもらうこと。喜んでいただいた人の数と喜びの深さの積が会社の価値です。

使命

自己実現を支援する

この世界にあるものは、すべて何かの意味や役割があります。人の体にあるすべてのものが、既に解明されているものもまだ解明されていないものもありますが、一切が絡み合って命を維持発展させるための固有の意味があり何かの役割を担っているのと同じです。そのあるものが、もともと持っている意味や役割を使命と言います。人にもそれぞれ何らかの使命があります。

人は生まれた時に使命が書かれた見えない封筒を持って生まれてくるという人があります。幸いにして封筒を開けて読み使命を明確に自覚できる人もあるが、開けることができず封筒を透かしてうっすらと感じるのみの人もあり、封筒の存在に気づかずに人生を終える人もあるということです。

タオの使命は、「自己実現を支援する」ということです。人間は、他の動物や植物と違って自由意思があり、生き方を選択することができます。実は、ここに人間の苦しみと偉大さの両方の源があります。即ち、命を完全燃焼させて輝いて生きることも、ブスブス黒煙をあげながら不完全燃焼で生涯を送ることも人間はできます。人間に貴賎はありませんが、生き方には貴賎があります。これは、何を成したかではなく、どう生きたかで決まります。自分の個性を活かして人の幸せを創り、今を完全燃焼で生き切って、生き得る最高の生き方をし、成り得る最高の自分になることを自己実現と呼びます。それは、美しい、幸せな生き方だとタオは考えます。そして、折角の人生なのだから、そのような美しい、幸せな生き方を一人でも多くの人にしてもらいたいと心から願います。そして、そのような生き方を支援することがタオの役割であり存在の意味です。

人間は、生きている限り変化を続けるので、一生すべての時期が自己実現のチャンスでありピンチと考えられます。そうではありますが、最大のチャンスでありピンチである時期は、言うまでもなく、その人の感性、考え方、能力の土台をつくる幼児期から学齢期です。その時期に、正しく学ぶ力と習慣を身に付けることができたら、その人は自己実現に適った生き方ができるでしょう。正しく学ぶ力と習慣とは、自分を含む全てのことを好ましいことも好ましくないこともそのまま受け入れて、それを、自分と人と社会の喜びや幸せを創る材料と捉えて、実際に幸せや喜びを創りあげる力と習慣のことです。だから、タオは、幼児期から学齢期の学習システムの開発を、最初の業務として選びました。タオの目標である「世界一実効ある学習システムを開発する」の実効とは、この正しく学ぶ力と習慣が身に付くということです。実効ある学習システムは、成績をあげるだけではなく、社会に出て活躍し、他の人からも好かれアテにされ、幸せな人生を送ることができる「学ぶ力と習慣」が、身に付くものでなくてはなりません。

自己実現は、その人とその周りを幸せにします。そのような人が多くなれば、社会は喜びと幸せに満ちることになります。自己実現した人は、金持ちかどうかは分かりませんが、物心ともに貧困ではあり得ません。また、自己実現した人は、自分を尊重し他人を尊重することができるので、意味なく争いをしません。ですから、自己実現は、世界から貧困を無くし世界に平和をもたらします。しかも、お金を配るような方法で貧困を無くし平和をもたらすのと違い、それは、遅々たる歩みかもしれませんが、根本からの解決になります。

タオは、今後その時の社会の状況やタオ自身の実力に応じて、子どもの学習システムの開発以外に「自己実現を支援する」事業をやります。しかし、たとえどんなに儲かることであっても、「自己実現を支援する」以外の事業はやりません。それが、タオの使命「自己実現を支援する」という意味です。

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